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【CuoreUp #012】「共感」が「同感」になるとちょっと危険

  • 2015年4月 2日(木) 17:00 JST
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◆ 今回のCuoreUp

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今回のテーマは『「共感」が「同感」になるとちょっと危険』です。

「共感」と「同感」の違いって、説明出来ますか?
なんとなぁ~くは、解っていても、
思いのほか、使い訳が出来ていない人が多いと感じています。

唐突ですが、ちょっとした例を挙げ見ましょう。

「Aさんはパワハラをきっかけにアルコール依存症になった」

アルコール依存症になってしまうようなパワハラがあり、
大変な状態であったことは、共感できますが、
依存症になってしまうほど、アルコールを飲む行為には同感出来ません。

「共感」とは、
心情、感情を理解する。感情を共有する。というイメージです。
「パワハラにあってたなんて、辛かったね」は、共感です。
これは、感情に目を向けています。

「同感」とは、
同じ意見。同じ行動。同意、賛同する。ということです。
「つらいとアルコール飲んじゃうよねぇ~」は、同感です。
これは、行動に目を向けています。


どうでしょう?
違いを解って頂けたでしょうか?


コミュニケーションにおいて、
「共感力」は、とても大切なものです。

しかし「共感」のつもりで「同感」してしまうと、
実は、ちょっとした危険があるのも事実です(汗)


では具体的に、どのような危険があるか、整理してみましょう。

例えば、同僚がちょっとしたミスから、上司にパワハラを受けたと、
愚痴をこぼして来たとします。

同僚は、ひどく落ち込み、上司から言われたセリフを吐き出します。

そんな時、つい言ってしまうのが
「はぁ~、それはヒドイねぇ~」です。

どうでしょう?
ちょいちょい使っていませんか?(笑)

実はこの「ヒドイねぇ~」は、
危険が潜む心の扉を開ける鍵なのです(驚)

愚痴をこぼしていた同僚は、この言葉をきっかけにして、
怒りという「心の扉」を開け放ち、
上司の悪口モードに突入することでしょう(汗)


何故「ヒドイねぇ~」がダメかというと、
『上司=ヒドイ人』という同僚の意思に「同感」した。という、
ご都合主義的なとらえ方が出来るからです。

まして同僚は、パワハラを受けたと思っている訳ですから、
自分自身が正当であり、上司が間違っていると考えています。

そんな自分の考えを「肯定して欲しい」という感覚が強い状況において、
この「ヒドイねぇ~」という言葉は拡大解釈され、
正義の味方の「天の声」とさえ感じてしまうことがあるからです(笑)


そして、この「ヒドイねぇ~」には、もう一つ危険な側面があります。
この発言が上司の耳に入ってしまう。という可能性です。

想像してみて下さい。
翌日、上司が同僚を呼び出すシーンを…。

上司は、自分の行いが正しいと信じていますから、
同僚とあなたが話した事を知っていれば、
あなたが、どのように諭したのか、自信を持って確認するでしょう(汗)

そして同僚が、もし、すっとこどっこいな人だったら、
「○○さんも、ヒドイって言ってました」と、
いけしゃあしゃあと言ってしまうかも知れません(汗)

上司には「○○もヒドイと言っていた」というのが事実と認識され、
敵として記憶される可能性が少なからずあるのです(泣)

うぅ~む。怖いですね。


ただ慰めてあげただけなのに、
ふと気付いたら、敵として認識されていた…。
なんてこと、ありませんか?

それが、きっと、このパターンです(汗)

どんな発言も意図とは無関係に広まってしまう。という危険性について、
認識を持っておく必要がありそうですよね ^^;


では、どのようにすれば良かったのか…。

答えは単純明快です。

同僚から見た場合の加害者である人に対して、
「否定」として受け取られる可能性のある言葉は、
決して使ってはいけない。ということです。

  ・ヒドイ
  ・ありえない
  ・おかしい
  ・普通じゃない

などです。

これらの言葉は、共感ではなく、同感に近い言葉です。


それでは、同感は、どのように使えば良いのでしょうか?

ズバリ『総論賛成各論反対』的な使い方をしましょう!!です(笑)

今回のパワハラの例では
「パワハラという行為」自体に対してのみ、同感するのです。

決して「上司」を責めては、いけないのです。


繰り返しになりますが、
共感することは、とても大切なことです。
ですが、同感と捉えられてしまうと、
裏目に出てしまうこともあるのです。

『「共感」が「同感」になるとちょっと危険』というお話でした。

 

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4/21(火) 19時~ 田町にて開催致します。

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~ 未来を想像する人達。その未来に必要な策を模索する人達 ~
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【マネジメント】
希望型    :可能性があることを求める。何事もプラスに考える。
流動派    :最悪の事態に備えようとする。ついマイナスに受け止めてしまう。

なかでも以下のケースについて、具体的な解説を致します。

  ・イケイケの部下に、冷や水を掛ける上司
  ・最悪の事態なのに、なんとかなると楽天的な上司
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情報交換会では、
グループワーク形式で、参加者の要望や課題をみんなで消化していきます。

想定される課題は、

  ・ネガティブトーク満載の会議を楽しくする方法
  ・万一を気にし過ぎて身動きとれない症候群を治す方法
  ・「やらせた方が良い」と「やらせるべき」の違い

などです。

 

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◆ あとがき

◆◆◆◆◆◆◆◆

飲みの場などで、愚痴を聞いていると、
「同感(同意)」を求めるクドイ人がいます(汗)

「ヒドイよね?ヒドイと思うでしょ?(怒)」

こんな風に迫られると、ちょっと、困りますよね ^^;

こんな困ったシチュエーションこそ、
ボキャブラリーを増やしたり、雰囲気を変えたり、
色々なことを試せるチャンスなんです!

共感はすれども、同感はせず。
それでいて、相手を傷つけることなく、
場としては和んで終わらせる。

そんなことが出来たらいいなぁ~
なんて思っている今日この頃…

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