株式会社バーティックは、システム開発会社です。そのシステム会社が、何故にコミュニケーション改善系の会員制コミュニティを立ち上げ、情報交換会やセミナーを実施するのでしょうか…。
答えは明確です。
という思いが強くなったからです。
もともと私はエンジニアの中でも厳しいタイプだったようで、現場で怒鳴ることもあれば、技術的な面での妥協は一切しなかったようです。その為、社員の一部からは恐れられる存在でもあったようですし、その厳しさは社員だけではなく、協力会社のメンバーは勿論の事、現場のメンバーにも同様だったようです。
一部の人からは絶大な信頼を得ることもありましたが、反面、恐れて離れて行く人も多かったのだと思います。それでもトラブルなどは発生していませんでしたし、当時はそれで良いと思っていました。
そんな私が心理学などに興味を持った発端は、至ってシンプルな疑問からでした。
というものです。この物言いが既に上目線で、なんともお恥ずかしいのですが、当時の私は、このように感じていたのです。
弊社は、社員のみの収益では、まだまだ厳しいと言わざるを得ない程の小さな会社です。ですから、協力会社メンバーの売上はとても重要だったのです。『協力会社メンバーを定着させる』ということは、収益の上でもそれなりに影響のある課題でもありました。
システムエンジニアは、プロジェクトの開始とともに増員され、収束とともに減員されます。波が訪れる度に、誰かしらは、必ず契約を解除される訳ですが、少なくとも私が知っているエンジニアは、スキルレベルで見劣りすることはないと感じていましたので、波が引くタイミングで契約解除となってしまうのは、お客様にとっても、勿体ないことと考えていました。
みなさんは『システムエンジニアは、コミュニケーション下手で、我が強く、扱い難い』という印象をお持ちではないでしょうか?確かに、契約を解除されているシステムエンジニアの印象は、この通りであり、私でさえも、そう感じることがありました。
まず私が始めたことは、協力会社のメンバーと会話することでした。ところが、この会話が、まともに出来ないことが多かったのです。どうってことのない日常会話は勿論のこと、仕事に関する質疑応答、報連相もままならない感じでした。これでは、技術スキルがあっても、チームとしては活動できません・・・契約解除されるのは必然だったことを痛感しました。
協力会社のメンバーは勿論のこと、協力会社の社長も契約が継続出来ないことは問題であると考えていたようですが、それでも、2~3ヶ月も営業すれば、短期間の仕事にはありつけます。喉もと過ぎればなんとやら・・・仕事にありついてしまうと、協力会社の社長さんは、メンバーのコミュニケーション能力の改善への興味は薄れて行きました。
諦めの悪い私は、図書館や書店、ネットなどで、コミュニケーション力、人間力、対人関係構築、自己啓発など、時間の許す限り読み漁っていました。確かに理論も理屈も立派ではあるものの、微妙にしっくりこない感触がありました。ましてや、人の為に使うツールとしては、自分が身に付けるまでに相当の時間を要することが容易に想像出来ました。
そんな暗中模索の中、『素質論』に出会いました。生年月日を伝えるだけで、その人の行動様式、趣味趣向などが、大雑把にでも理解できるツールに驚きました。自分自身は勿論のこと、自分の家族、大切な人々・・・それこそ、手当たり次第、生年月日を元に調べあげました。それに飽き足らず、会う人会う人『素質論』の話をして、生年月日を元に調べては伝え、調べては伝えを繰り返しました。
数多くの診断をしている時、ふと思ったのです。『・・・俺、ただ単に、楽しんでるだけじゃん』
愕然としました・・・そもそも何のために『素質論』というツールを学んだのだっけ?・・・その日から『素質論』を自分自身が使いこなすことを意識し、少しでも人の役に立てるよう気に留めるようになりました。
それから随分と長い年月が経ちました。知識を蓄え、実践を重ねました。様々なコミュニティの場、地域コミュニティ、ボランティア団体、起業家サークル。勿論、システム開発の現場でも実践してみました。飲み会の場で観察と実践を。進まないムダ会議を有効なモノへの転換出来るのか。活気あるチーム作りに使えるのか・・・。思考錯誤、PDCAのような大げさなモノではないですが、実践と検証を繰り返しました。
一連の実践と検証で解ったことがあります。『素質論』は『使えるツール』である。ということです。システムエンジニアという限られた職種だけではなく、多様なビジネスへの活用は勿論のこと、プライベートな人間関係にもとても有効なのです。
きっと、感の良い人は、すぐに気付いて使い始めるのでしょうけれど、私は、想像以上に時間を要してしまいました。その分、他の人に伝える際には、より効率よく、使い勝手の良い部分をピックアップしてお伝えできると考えています。
『素質論』そのものを教えるのではなく『素質論の使い方』を・・・より多くの人に・・・。
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